予定
CDメモ (最近のものほど上)
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フィリップ・グラス「浜辺のアインシュタイン」
★★★
超大作ミニマルオペラ(矛盾?)。ごく普通のミニマルがCD三枚
に渡って延々と展開される。チェンジャーに入れて聞いていたら
脳が破壊されそうになった。
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ジョン・エリオット・ガーディナー指揮/
オルケストル・レヴォリュショネル・エ・ロマンティク
「ベートーヴェン交響曲全集」
★★★★★
個人的にはベストのベートーヴェン交響曲全集。
9番のテンポの扱い(2楽章のトリオと4楽章の「行進曲風」)
は諸説あるが、この演奏のが一番聞いていて「納得」できる。とくに4楽章は
いままでの演奏では「高揚していた気分をいったん落ち着かせて歌い直す」
という印象だが、ガーディナーのテンポ(遅い演奏に比べると倍速)だと
「高揚感が持続してそのまま(インテンポで)フーガに突入」という感じになる。
(ジンマン版も同じぐらいの速度だが、「オモチャの行進」っぽく聞こえてしまう)。
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ギトリス/アルヘリッチ
「ベートーヴェン/ヴァイロインソナタ第9番"クロイツェル"、
フランク/ヴァイオリオンソナタ」
★★★★
「別府アルゲリッチ音楽祭」でのライブ録音。キワモノなのかと
思って敬遠していたが「これぞパフォーマンス」という感じ。アルヘリッチ
という人は自分のうまさが引き立つ人としか組まないのかと思っていた(例:
マイスキー)が、これはかなり真剣勝負になっていて面白い。ギトリスは
演奏技術ではいろいろ問題がある人なのかも知れないが気迫でアルヘリッチを
圧倒している(老人力?)。
ライブで聴けたひとが羨ましくなるCD。
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ストラヴィンスキー「春の祭典」ブーレーズ、クリーブランド(1969録音)
★★★
ディヴィス盤を聞いていろいろ別のを聞きたくなってきて買って来た。
これは歴史的名盤といわれているが、リズムを明確にしようとしている
あまり、全体のスケール感が失われている感じがする
(音は今回はじめて聞いたがジャケットデザインは子供のころから強く印象に
残っている。)
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ストラヴィンスキー「春の祭典」サー・コリン・ディヴィス
★★★★★
感情に走らずひたすらインテンポで進めて行くがその冷静さが却って迫力に
つながっている。LP時代の愛聴版だったがCDで買い直してあらためて凄さ
を認識した。
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ベルリオーズ「幻想交響曲」ガーディナー
★★ 1830年初演当時(幻想って第9のわずか数年後に作曲されているん
ですね)のオーケストレーションを再現しているはずだが、
響きの薄さがどうしても気になる。学生オケのように聞こえる。
ベートーヴェンをモダンで聞くと、もはや響きが暑苦しいぐらいに
感じられるのに...不思議だ。
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五嶋みどり・今井信子・クリストフエッシェンバッハ
モーツァルト ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲
★★★ 3年ぶりの新録音。PPPで全く音色が褪せないのが美しい。
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アーノンクール
バッハ「マタイ受難曲」
★★★ 3回目の録音。 冒頭から気合が入っていて素晴らしいが、オペラのアリアのように聞こえる
ところもあって、宗教的な深さというより
音楽的満足感を求めているように聞こえる。
ヴァイオリンがいまいちなのが惜しい。
最後のCDに譜面画像とMP3が入っている。
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鈴木雅明 バッハコレギウムジャパン
バッハ「マタイ受難曲」
★★★★
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ヤナーチェク
弦楽四重奏曲第1番「クロイツェル・ソナタ」
弦楽四重奏曲第2番「ないしょの手紙」
ルバン・ベルク弦楽四重奏団
EMI(輸入盤 5 65765 2)
★★★ アルバンベルクは演奏に「すき」が無さ過ぎてかえって聞いていて
つらくなるときがある。この演奏もちょっとそんな気がする。期待通りの
うまさだが期待通りすぎると言うか。贅沢?
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バッハ無伴奏チェロ組曲 鈴木秀美
★★★
その変にあったバロックの譜面をさっと弾いている
という感じで、「バッハの無伴奏」という気負いゼロ、変な作為ゼロなのが気持ち
いい。ケーテンではこの曲は
こんな感じで演奏されていたのではないか、と思わせる。
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ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番
インマゼール
★★
cd-worldのデータで視聴したときは非常にいい感じだったのだが
全曲を通しで聞いてみるとさすがに(フォルテ)ピアノが軽すぎて
迫力に欠ける。
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ベートーヴェン ピアノ三重奏曲 ≪大公≫ ≪幽霊≫
インマゼール、ビルスマ
★★★
「皇帝」よりはさすがにしっくりくる。なんかビルスマが「妙なうまさ」
を醸し出しているのがちょっと気になる。
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ベートーヴェン ピアノ協奏曲第2番・第5番<<皇帝>>
キーシン(pf) レヴァイン(cond)
★★
↓のショパンに比べると、こちらははうまいんだけど普通な感じ。
指揮がレヴァインじゃなければもっとスリリングになったのかなぁ?
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ショパン 24の前奏曲・ピアノソナタ第2番《葬送》・ポロネーズ第6番《英雄》
キーシン
★★★★
凄みを感じる演奏。
(キーシンはあの髪型が苦手で今まであまり聞いてなかった...)
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バッハ 無伴奏ヴァイリンソナタとパルティータ レイチェル・ポッジャー
★★★★ ファン・ダールよりもさらにモダン楽器に近い印象。
ヴィブラートも結構使っているし、録音もかなり残響を効かせていて、
バロック・ヴァイオリン的な音が気にならないようにという
コンセプトなのではと想像する。
モダン楽器でもみどりやヒラリー・ハーンのような最先端の
演奏者はヴィブラートを抑制的に使うので、楽器とピッチの差を除けば
モダン/古楽器の差がだんだん少なくなっているような気がする。
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ヴィヴァルディ 四季 カルミニョーラ(vn) ベニス・バロック・オーケストラ
★★★★ ヴァイオリンソロがまるで即興演奏のようだが極めて自然で「無理に変
わったことをやっている」という感じは受けない。
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バッハ ゴルトベルク変奏曲 ペライヤ
★★ グールドの呪縛から抜けられるかと思ったがやはり無理だった。
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バッハ ブランデンブルク協奏曲
ラインハルト・ゲーベル指揮ムジカ・アンティクァ・ケルン(MAK)
★★★★ バッハをここまで思い入れなく演奏してしまう人達も珍しい。
ピリオド楽器で
やる「スイッチト・オン・バッハ」といった雰囲気。この速度は快感。とくに
3番が。
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ベートーヴェン ピアノ三重奏曲(op1.1) 鈴木秀美 寺神戸亮
★★★ ヴァイオリン/
チェロもさることながら、フォルテピアノがぞくぞくするほどカッコいい。
これを聞いてベートーヴェンの初期作品に俄然興味が湧いてきた。
(このCDたったの480円!)
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シューベルト
ピアノ五重奏曲イ長調 D.667「ます」
アルペジオーネ・ソナタイ短調 D.821
ノットゥルノ変ホ長調 D.897(ピアノ三重奏のためのアダージョ)
フォルテピアノ演奏インマゼール
チェロ演奏ビルスマ
ラルキブデリ
録音:97年 SONY
★★★★ 出だしの響きからしてモダン楽器の「ます」とはまったくちがう。
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ベートーヴェン:《交響曲第7番》《同第8番》/ジンマン指揮 チューリヒ・トーンハレ管弦楽団 (アルテ・ノヴァ・クラシックス(D)BVCE9720
)
★★ 7番は意外におとなしい。やはりこの人は9番か?
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ベートーヴェン交響曲全集 ブリュッヘン 18世紀オーケストラ
★★★ 7番のある種「粗野」な響きのするところがいい。5番もカッコイイ。
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ベートーヴェン 交響曲3番 ジンマン指揮 チューリヒ・トーンハレ管弦楽団
★★ 2楽章のオーボエの装飾音はちょっとやりすぎ?面白いが面白いだけとも言え
る。
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ベートーヴェン 交響曲9番 ジンマン指揮 チューリヒ・トーンハレ管弦楽団
★★★★
これを聞いてフルトヴェングラー・バイロイト盤の呪縛から解放された気がする。
二楽章トリオのテンポが素晴らしく速い(史上最速?)でも譜面のメトロノーム
記号(諸説あるが)に準拠している。四楽章の途中でGP(総休止)の
ある実験的な別テイクが入っている。ベートーヴェンの草稿にGPが入っていた
らしいが、神秘的で気に入った。こちらを本テイクに
してもよかったのでは。
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アバド ベートーヴェン 交響曲第9番
★★ 3楽章はさすがにきれい。ベーレンライター新版に準拠のはずだが肝心な場所(たとえば四楽章のホルンのシンコペーション)では旧版に日寄っている。完成度は高いがどこか吹っ切れて
いない演奏。
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インマゼール ベートーヴェン:《交響曲第9番》
★★★ 1-3は素晴らしいのだが四楽章がなんか燃えきらない(テンポも大人しめ)でちょっと腰砕け。
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モンテヴェルディ:《聖母マリアの夕べの祈り》/ヤーコプス指揮 コンチェルト・ヴォカーレ、ネーデルランド室内合唱団 キール、ボーデン
(S) ショル(C-T) ボーウェン、マーガトロイド(T) トレス(Br) アベーテ、
ドライエル(Bs) (HMF(D)KKCC371〜2 \5097)
?? 合唱好きには有名な曲みたいだが良さがよくわからない(演奏ではなく曲そのも
のが)
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ルーシー・ファン・ダール バッハ無伴奏ソナタとパルティータ
★★★ クイケン時代の演奏とは一線を画する水準の高い演奏。
ファン・ダールはレオンハル
トらの「ブランデンブルク」でヴァイオリンを担当し、18世紀オーケストラ
のコンミスをやっていた人。NAXOSもいい人に目をつけたものだ。
古楽器ながら結構ロマンティックな演奏はどこかブリュッヘンと共通するもの
を感じさせる。なぜか演奏者の「鼻息」が良く聞こえる。
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ヒラリー・ハーン ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲
★★★★ デビュー二枚目にしてなんでこんな本格的な選曲でせまるのかと思ったが納得の名演奏。
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ヒラリー・ハーン バッハ無伴奏
★★★★★
これが17歳のデビュー盤とは信じられない。重音がことごとく完璧に
決まる。シャコンヌはもしかしてレコード史上最高の
演奏かも。とにかく古楽器の演奏者達がこの水準を凌駕できるのは相当先の
ことになるだろう。
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五嶋みどり チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲
★★★★★ 従来の「チャイコフスキー=土臭い・民族的」という固定観念を完全に
覆す画期的な演奏。みどりのCDの中でも集中力の高さでは群を抜いている。
まちがっても諏訪内とか買わないように。
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ムター ブラームス ヴァイオリン協奏曲 (マズア指揮ニューヨークフィル)
★ ジャケットがカッコいい。でも演奏は臭い。
- ジネット・ヌヴー ブラームス ヴァイオリン協奏曲
★★★★ 猛烈にテンションの高い演奏。ソロの出だしなんか「斬りこん
んでくる」という感じがする。
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ジャクリーヌ・デュプレ ドボルザーク チェロ協奏曲 (バレンボイム)
★★★★★ すさまじいばかりのエネルギーとスケール。この演奏の後に
聞くとロストロポーヴィッチでさえ小さく感じられる(ヨーヨー・マに
いたっては「ペラペラ」という感じ)。チェリビダッケ指揮のCDもあるが
まあ同様に「ソロだけが凄くてオケは単なる伴奏」という演奏。要するにこの人とまともに張り合える指揮者
なんていないということ。
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五嶋みどり カーネギーホール リサイタル
★★★★ みどり19歳のときのライブ。CDだけではなくぜひビデオ版も。
ビデオ版にだけ収録されているモーツァルトの音色が素晴らしく美しいので。
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バッハ 無伴奏ヴァイリンソナタとパルティータ クイケン
★★ ポッジャー、ファン・ダールの全曲版がある現在では、この
盤の意義は終わったのかも(再録音が出るみたいだが)。
重音をことごとく「ぐしゃー」と鳴らすのでリズムがぼろぼろになる
ところが聞いていて苦しい。でも、ときどき懐かしさで聴きたくなる。
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