Pentomino



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Why Pentomino?

「ペントミノ」を初めて知ったのはたぶん小学2年生ぐらいの頃だと思う。当時 は「プラパズル」という商品名で売られていた。説明書に「富士通の大型計算 機で全部の解を求める」とかいった下りがあって、コンピュータとはなんとす ごいものなのだろうと素朴に感心したの憶えている。 そういえば、当時からパズルを手で解くことに は 実はあまり関心がなく(たぶん自力で解いたのは10通りぐらいか?)、新しい パズルを考えることと、「コンピュータでパズルを解くというのは いかなることなのか」を夢想するほうに興味があった。

コンピュータに強烈に興味を持ったのはいいが、当時(1970年代)、実際のコ ンピュータに子供が触れる機会というのはまったくなく、唯一つと言っていい 窓口はNHKの教育テレビで放映されていた「コンピュータ講座」という番組だっ た。 小学生の 分歳でテキストを取り寄せたりしてわからないながら食い入るように番組を見 ていた。(NHKのテキストにはなぜか「実物大キーボードの図」というのが折り 込みで入っていた。これでタッチタイピングを学べということだったのだろう か?) 島内先生が主任講師だった年の題材にペントミノが取り上げられており、 動かす実機がないにもかかわらずソースコードを必死に解読したりした。 いま思い出したが言語はたしかAlgolではなかったか。Algol...死語だ。

その後、大学のプログラム演習の自由課題でもFORTRAN版ペントミノを書いた り、"Poliominoes" (Solomon Golomb?著)というペントミノ系パズルの 集大成のような本を取り寄せたり、パチンコ玉やサイコロをエポキシで 接着して立体パズルを作っていたりした。 上のJava版は15年ぶり位のリバイバルバージョンで、 ある日曜の午後、急に書きたくなって作ったものである。

ペントミノは5つの正方形を連結してできる形状が12種類あることから、そ れをちょうど5*12=60の面積の領域に納められるか、というパズルで、シンプ ルでありながら造形的にも美しく、この種のパズルの傑作だと思う。立方体5 個で作るとそのまま立体パズルにもなる。もっとも一般的な、6*10の面積に納 める解の総数は2339通り。上のアプレットを根性で最後まで実行させるととた ぶん総数が求まるはずです。

今回、このページを作るにあたりWWWを検索してみたが、結構 同好の志が多いことを発見して嬉しかった。 そういえばA.C.クラークもペントミノファンらしい。 「地球外帝国」でもペントミノが題材として扱われていたり、 「2001年宇宙の旅」の没になったテイクに、 HAL9000と競技形式のペントミノ興ずるシーンなどがあったりする (最終的には御存知のようにチェスのシーンが採用されている)。

(ペントミノ系列の)オリジナルパズルをいくつか考案したことが あるので、機会ができたら紹介してみたい。

2000.1 rekimoto


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